子育て:給食の中身、知っていますか?
ままメルドットコム > 給食の中身、知っていますか?(1)  (2)  (3)  (4)  (5)   (6)  (7)

学校給食と子どもの健康を考える会 神奈川県支部 熊谷千秋

パンが主食だと、こんなメニューに

 水分が少ないから油を塗る

パンは、そのほとんどがポストハーベスト農薬の危険性の高い輸入小麦粉から作られていますし、加工する際にも様々な食品添加物が使われます。砂糖も入っています。

また、水分が少ない・・・これがパンの特徴です。

そのため、マーガリン、バター、ジャムなどを塗りたくなるのです。

おかずも、おのずと、油を多用した洋風なもの、無国籍なおかずになりやすくなります。

 パンに合うおかず

パンに合うおかずは、食品添加物も多くなりがちです。

たとえばマーガリン、ハム・ソーセージなどの食肉加工品、チーズなどの乳製品にもまた、食品添加物がたくさん使用されています。

わかりましたか? パンが主食のメニューに、どんな傾向があるのか。

油脂・砂糖が多すぎ、輸入食品や加工食品をたくさん使う、そんなメニューです。食品添加物の摂取量も多くなります。

ご飯が主食の健康メニュー

 食の安全に近道

それに対し、ごはんは加工品でないので、食品添加物の心配はありません。

残留農薬の危険性も、ポストハーベスト農薬に比べたら比較にならないほど小さくなります。

そして、旬の野菜や魚介類を使った和食のおかずがよく合うため、油脂の摂取も少なくなります。

 子どもの健康を守るために

学校給食には、残留農薬、合成洗剤、食品添加物、遺伝子組換え食品…等々、いろんな問題がありますが、パン給食をやめることで、そのほとんどが軽減されます。(下表を見てください)

日常的にパンを出さない「完全米飯給食」にすることは、子どもの健康を守るための最低条件と言えるのではないでしょうか。

そして、それは日本の農業や環境、食文化を守ることにもつながるのです。


パン給食

米飯給食

油脂類・砂糖類・肉類・食肉加工品・乳製品が合う

旬の野菜・魚介類が合う

工場製品が多い

工場製品が少ない

食品添加物が多い

食品添加物が少ない

薬品・農薬が多い

薬品・農薬が少ない

大量調理しやすい

大量調理しにくい

洗剤の使用が多い

洗剤の使用が少ない

輸入食品に依存(食糧自給率低くなる)

国内農産物が主(食糧自給率高くなる)

日本農業を衰退させる

日本農業を守る

日本の食文化を崩壊させる

日本の食文化を守る


米飯給食の回数は、全国平均2.9回

 無国籍なメニュー

では、子どもたちは実際、どんな給食を食べているのでしょうか?
たとえば、ままメルの地元・神奈川県の例です。

川崎市立小学校の場合

●◎●◎● ある1週間の献立 ●◎●◎●<2004年4月>
月:ココア食パン,牛乳,鶏肉のケチャップ炒め,じゃがいもの唐揚げ,冷凍巨峰
火:鮭そぼろごはん,牛乳,豚汁,きゅうりの中華漬け
水:1/2ミルク食パン,牛乳,カレー南蛮,五目豆,シューチーズ
木:パンプキンロールパン,牛乳,白桃,ポテトグラタン
金:フィッシュサンド(サンドパン・ホキフライ),牛乳,野菜スープ,プリン

 米離れ促進献立

川崎市は週当たりの米飯実施回数が1.2回と全国で最も少ないのですが、正に無国籍・無地方・無季節・無安全な給食と言えるでしょう。

こんな給食を食べた子ども達が、将来ごはんや味噌汁を好むようになるとは到底思えません。これでは子ども達の米離れはますます進み、輸入食品やファースト・フードが普及していく一方です。

横浜市では、米飯給食が週2.5回。神奈川県全体では週2.1回と全国ワースト1位です。(全国の平均は2.9回)

「ちゃんと」食べている学校もあるよ

 完全米飯給食も健在

一方、全国約32,000校のうち、既に約1400校もの小・中学校が完全米飯給食を実施しています。

地元で採れたものを、地元で食べる、これは農業を育てるためにも、環境を守るためにも大事なこと。それなら、まず真っ先に自国で獲れたお米を給食の主食にすべきでしょう。

 難しいことではないはず

パンをごはんに変えると、季節の地場野菜も増える、魚も増える、油だらけの献立から抜け出せるばかりか、安全性も飛躍的に上がります。

完全米飯給食にすることは決して難しいことではありません。それを父母達が真剣に望むかどうかです。このままのメニューでいいと、あなたは思われますか?
(米飯給食の実施回数に関するデータは、平成14年5月現在の文部科学省資料によるものです。)

 こんな給食、おいしそー!

たとえば、横浜市泉区にある認可園『緑園なえば保育園』では、山形県の提携農家の七分搗米ごはんと季節のお野菜が具の味噌汁を基本に、和食中心の完全米飯給食が出されています。飲み物はお茶か水で、牛乳は出ません。おやつも素朴で手作りのものがほとんどです。

●◎●◎● ある3日間のメニュー ●◎●◎●<2004年5月>

1日目:ごはん,味噌汁(大根,油揚げ),桜海老入り玉子焼き,ごま和え, (おやつ)ふかし芋,食べる煮干
2日目:ごはん,味噌汁(キャベツ・わかめ),ふろふき大根,煮びたし, (おやつ)おにぎり,果物
3日目:ごはん,味噌汁(豆腐・長ねぎ),新じゃがのそぼろ煮,きんぴら,(おやつ)カレーうどん,野菜

給食は自分の子どもだけの問題じゃない

 給食のない公立学校もあるよ

学校給食はそれ自体、絶対食べなくてはならないものではありません。
実際、全国には給食のない市町村も存在します。

自分の子どもに給食を食べさせたくないと思うなら、お弁当や水筒を持参してもよいのです。牛乳だけやめてもらうことも可能です。

法的な強制力は何もないので、医師によるアレルギーなどの診断書も本当のことを言えば提出する必要がありません。
とはいえ、まだまだ「学校給食は皆が食べるもの」という考えの先生が多い現状では、学校生活をスムースに送るために診断書を上手に利用するのも1つの手かもしれません。

 給食をよくしていこう

ただ、子どもが大きくなるにつれて、自分だけ皆と違うものを食べることをどう捉えるか、子どもの心の問題で、難しい面もあります。

また、給食は自分の子どもだけの問題ではありません。

食べないことで現状の給食のあり方を問うのも一手段ですが、全国の子ども達の99%が食べている学校給食の影響力の大きさを考えるならば、「給食自体をまともにしていく」ことが大切だと思いませんか?


このページの上へ
ままメルドットコム > 給食の中身、知っていますか?(1)  (2)  (3)  (4)  (5)   (6)  (7)
著者自己紹介
学校給食と子どもの健康を考える会 神奈川県支部 熊谷千秋
息子が2歳のときに『学校給食と子どもの健康を考える会』と出会い、神奈川支部を発足しました(2001年11月)。様々な方達との出会いがあり、たくさんの仲間を得て、ここ神奈川でもあちこちに給食改善の兆しが見受けられるようになりました。「完全米飯給食」という最も肝要にしてシンプルなこの考えが、確実に浸透しつつあるのを日々感じ、とてもうれしく思っています。世界に誇る日本の素晴らしい伝統食を私達の代で決して絶やすことのないよう、家庭の食だけでなく学校給食で何ができるのか、この連載が、1人1人が考えるきっかけになれば幸いです。子ども達の健康のために、そして日本の未来のために・・・
◎神奈川支部 連絡先 chiaki.kumagai@nifty.ne.jp(熊谷千秋)

学校給食と子どもの健康を考える会
http://www8.ocn.ne.jp/~f-and-h/kyusyoku/
我が子の学校給食メニューのあまりのひどさに憤慨した幕内秀夫氏(管理栄養士・「粗食のすすめ」著者)が、1998年12月に発足。全国約10の支部で学校給食の完全米飯化目指して講演活動する傍ら、幼稚園や保育園の給食改善にも協力している。その結果、米飯回数が増えた市町村、園は相当数にのぼる。

幕内秀夫さん プロフィール
管理栄養士。フーズ&ヘルス研究所主宰。「粗食のすすめ」(東洋経済新報社・新潮OH!文庫)シリーズの著者。 山梨県の長寿村・ゆずり原の食生活に出会い、伝統食の研究を開始。医療機関での食生活相談や指導、食生活に関する講演活動や著作活動に携わっている。子どもの食生活を改善する活動の一環として「学校給食と子どもの健康を考える会」を発足させた。近著に「工藤公康 粗食は最強の体をつくる!」(三笠書房:1300円+税)、「病気にならない食べ方」(主婦の友社:1500円+税)、「ごはん美人のススメ」(大和書房:1400円+税)など。