第33回 シュンとのおっぱい生活
おっぱいの飲み方にも個性がある

1歳を過ぎたシュンは、離乳食もだいぶ進み、生もの以外は、ほとんど何でも食べる。最近、おかゆでなくふつうに炊いたごはんを食べるようになって、シュンのごはんの用意がとても楽ちんになった。食べる量も一人前。今日はカレーライスをおかわりした。離乳(おっぱいを飲まなくなる)の日も遠くはないのかもしれない。ちょっとさびしい気もする。
ナツとアチャのときは、おっぱいに苦労した。2550グラムと小さく生まれたナツは、その後の成長もゆっくりで、彼女にたくさんのおっぱいは必要なかった。飲み残されたおっぱいは乳腺に溜まり、詰まってしこりになって痛んだ。出すぎるおっぱいを搾乳したりもした。とにかく毎日おっぱいと格闘している気分だった。
アチャのときは、アチャが保育園に入園してすぐ、私が乳腺炎になってしまった。昼間飲ませなくなったのが原因だった。詰まった乳腺が炎症を起こし、熱が出る。おっぱいはパンパンに腫れて、痛くて大変だった。
横抱き、縦抱き、ラグビーボール抱き



おっぱいにトラブルがあると、そのたびに助産院に駆け込み、助産師さんにマッサージをしてもらった。マッサージしてもらうと、しこりがなくなって、痛みもやわらぐ。マッサージしてもらいながら、おっぱいや育児の悩みごとをあれこれと尋ねたり、食事や生活上のアドバイスをもらったりできるのもうれしかった。
私の場合は、出過ぎるタイプのおっぱいだったので、おっぱいが余計に作られないように、食べ物、飲み物を少し控えること、乳製品や動物性脂肪は、おっぱいの詰まる原因になりやすいので控えること、粗食、和食中心の低カロリーの食事がおっぱいにはいいことなど、いろいろ教えてもらった。
乳腺はいくつもあるので、どの腺からもまんべんなく飲ませるようするために、抱き方にも工夫するとよい。教えてもらっていろいろ試してみた。縦抱き(赤ちゃんを膝にまたがらせて抱く)、ラグビーボール抱き(ラグビーボールを抱えるようなかんじで脇に赤ちゃんを抱く)なんていうのもある。具体的に教えてくれるので、すぐに実践できた。
いざというときに助けてくれる助産婦さんのおかげで、ナツは2歳2カ月、アチャは1歳7カ月までおっぱい生活を楽しむことができた。
入園とともに起きた、おっぱいの変化
ナツ、アチャ、シュン、3人とも母乳で育ったけど、三人三様。おっぱいの飲み方にも個性があるんだね。私のおっぱいは、ごくごくとたくさん飲んでくれるシュンとは相性がいいらしい。シュンを産んでから、大きなトラブルもなくこれまでやってきた。
ところが、シュンが保育園に行き始めると、シュンと私のおっぱいに変化が起きた。昼間、飲んでくれる人がいなくなった私のおっぱいは、夕方になるとパンパンに張ってしまうのだ。張ったおっぱいは痛い。

アチャのときのように乳腺炎にでもなったら大変だ。シュンが保育園から帰ってくるとすぐに飲ませて、ほっと息をつく。しばらくそんな日々が続いたが、1カ月もすると夕方になってもおっぱいが張らなくなった。おっぱいもちゃんと新しい生活に順応するんだ。おっぱいってほんとによくできているなあ。
最近、ちょっと疲れているのかな。背中が痛い。とくに肩甲骨と肩甲骨の間。そういえば、右のおっぱいの下のほうも痛いなあ。家にいるときはモーブラの私も、仕事で外出するときはふつうのブラジャーをする。それが肌に触れて痛む。乳首もシュンに吸われると痛む。おっぱいの調子も悪いのかもしれない。
断乳する? それとも続ける?

久しぶりにおっぱいマッサージをしてもらいに、助産院に出かけた。
助産師のサイトーさんが、おっぱいをマッサージしながら言った。
シュンの断乳なんて、まだ真剣には考えていなかった。でも、そのことを考える時期になったのかな。突然の断乳のすすめに少々戸惑っていると
背中と心のマッサージ。気持ちいい!
おっぱいのマッサージのあと、背中のマッサージもしてくれた。背中からおっぱいのほうへ血液を送るようなイメージのマッサージ。気持ちいい。おっぱいも背中も腰も首も血管も、ちゃんとつながっているのだ。子どもを産み、おっぱいをあげているとほんとうにこのことを実感する。

マッサージをしてもらって、おっぱいと背中だけでなく、気持ちも軽くなった。そう、おっぱいをやめるという選択肢もあるのだ。続けるならこうすればいいと助言もくれる。決め付けず、相手任せにもせず、サイトーさんはちゃんと私にチョイスを与えてくれる。これが心地よい。
家に帰って、シュンにおっぱいを飲ませた。ごっくん、ごっくんと休みなく真剣に飲み続けるシュンを見て思った。シュンとの大切なこの時間、もうしばらく続きますように。
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神奈川県と東京都町田市の産院情報「わたしのお産」、第二の母子手帳「わたしのお産サポート・ノート」を編集した、お母さんグループ。「サポート・ノート」は自分のこと、おなかの赤ちゃんのこと、医師・助産師との対話などを書きつづりながら妊娠生活を送るための本。ヨーコはここで、自分自身の記録を大公開しつつ、出産に向かう(実際の書き込み欄は小さくて、だれでも簡単に記録できるものです)。

