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パックスナチュロン 長谷川 治さんのお話より
牛肉100gが10円?!

 NHKテレビで『肉骨粉・汚染ルートを追う』という番組でこんな放送をしていました。
Mというお店が、ここ数カ月、お店をあちこち閉鎖しています。どうもあそこの牛肉が外国産で、何が入っているのか分からないと世間で相当言われているとのこと。

 そのMの社長が「自分の店の牛肉はインターネットで瞬時に情報を得て、世界中で一番安い肉を買う。だからハンバーガーを半額で売っても採算が合う」と話したことが週刊誌に書かれました。

 牛肉100gを10円で買うということらしいです。100gで10円ということは、かかるのは輸送費のみで原料代はほぼゼロです。

狂牛病の牛肉がハンバーガーに!!

 例えばイギリスでは狂牛病にかかった牛は焼却します。焼却するだけのものは原料費ゼロです。そのゼロのものを直接は輸入できませんが、いったんアフリカに輸出し切り刻んでブロックにしてオーストラリアに輸出します。それをミンチにして、オーストラリア産として日本に輸出する。

 肉を裏から裏に回す闇のブローカーでは今言ったことが当たり前のようになっているという。

 ですからそのような安い肉を輸入してくれば、ハンバーガーを安く売ることができる。ハンバーガーをいつも食べている人には、それが5年後10年後、体にどういう影響をおよぼすのか想像がつきません.....。

牛は牛乳製造機械?

 なぜ肉骨粉を使わなくてはならないのか? その根本のところは、世間であまりはっきり言われていません。普通の牛から牛乳は一日5リットルしか採れません。それを10リットル、20リットルと多く採ればより利益が上がるので、餌に成長ホルモンを入れる。そして、草を食べさせていただけでは効率が悪いので肉骨粉のような高蛋白の飼料を与える。その結果、一日25リットルほど出るようになる。そういう実体が狂牛病の事件のなかから出てきました。

 効率や便利さだけを求め、草食動物の牛に肉を食べさせるという、自然の摂理に反することをするとしっぺ返しを食うということです。これと同じようなことが我々の日常の生活でも起きていないか?

 それがこれからお話することの本題になるわけです。

健康にいい成分も化学物質で作れる?

 朝、お茶を飲みます。お茶の中にはタンニンやカテキンなど、通常ポリフェノールと呼ばれている成分が入っています。赤ワインにもブルーベリーにもポリフェノールが含まれているので、体によいと言われています。

 しかし今はそれと似た成分を化学物質でつくることができます。

 ポリフェノールの「フェノール」は、六角形の形をした「ベンゼン」という化学物質をちょっと変化させたものです。このベンゼンが化学物質の基本で、これを変化させていくと色々な用途の、一見便利なものができます。

 しかし、そうやってできたものには問題があります。例えば洗濯用合成洗剤の「トップ」や「アタック」や「アリエール」の成分を見ますと、「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」と書いてあります。ベンゼンにアルキルやスルホン酸をくっつけると合成洗剤になって、それで衣類を洗うと真っ白く見えると宣伝しているわけです。

子供の知能指数が落ちてる?!

  人間はのどに甲状腺という器官があって、そこでホルモンをつくります。それが微量、血液の中を回っていくと脳や神経を発達させるわけですが、それと似ているけど違う偽物のホルモンが入ると脳や神経を混乱させます。これを「ホルモン撹乱化学物質」と呼んでいます。

 今の小学生の知能指数は、40年前に比べて5ほど落ちて95です。日常的に偽物ホルモンを体に取り入れてしまっているから、脳や神経の発達が遅れていると、最近の学者の間では定説になりつつあります。

テレビでおなじみのあの合成洗剤が...

 ホルモン撹乱化学物質になりうるものがアリエールという合成洗剤にも入っている、ホルモン撹乱化学物質になることがアリエール(笑)から注意しなさいと書いてあるわけです。一番売れているアタックは「攻撃する」という意味で、脳や神経を攻撃するので注意してくださいといっています。3番目に売れているトップは、トップというからには一番売れてなくちゃいけないんですが(笑)これは「一番」とか「頭、かしら」という意味。つまりこれを使い続けると遂には頭にくる。それは「キレる」ということで、こういう化学物質が、日常使う洗剤に含まれている危険があるというわけです。

多摩川の残留濃度は?

 テレビでは毎日、毎日、合成洗剤が宣伝されています。さすがにテレビで宣伝するものにそんなに悪いものはないだろうという安心感があります。もうひとつは、通常の使用では問題ないと、国として製造販売を許可しているということもあります。

 しかし、使用量がどんどん増え続けていった結果、日本の川、海が汚れて、東京の多摩川では合成洗剤の成分が1〜2ppmという単位で残留しているそうです。ppmというと小さいと思うかもしれませんが、あれだけ大量の水が毎日流れるなかに1〜2ppm残留しているというのは相当の濃度です。当然ホタルは死に、メダカも生きてはいけません。もうちょっと大きいコイやフナは生きていられますが、これが2倍、3倍の濃度になったら川からすべての生物が消えてしまいます。

ようやく日本でも規制の法律が!

  そこで「このまま放置したら大変だ」と、日本でも昨年ようやく、「PRTR法(化学物質管理法)」ができました。この法律によると、アリエールやアタックの成分に含まれている「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)」という成分は有害化学物質なので、これを環境に排出した企業は国に届け出なさい。届け出た結果を1年後にみんなに公表します。公表することによって有害化学物質を排出した企業はイメージも悪くなるからだんだんと使わなくなるだろうと、こういうことを期待した法律です。

 アメリカでは10年前にすでにこの法律ができて、その結果、化学物質が約半分に減りました。本当は「アタック」などの合成洗剤を使っている家庭の人も、このなかに有害化学物質が入っているわけですから、国に報告しなくてはいけないのですが、それは国が推計することになっています。ですから今後は化学物質を便利だからといって無闇に使ってよいということにはならなくなると思います。



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