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 引越しや防虫剤にご用心。体調不良は化学物質から?(1)
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  身の周りの化学物質【1600万種類も!?】

◎化学物質の貢献と害

 現在、地球上に存在する化学物質は何種類だと思いますか? 実は、1600万種類以上(!)と言われています。

 また、さらに毎日4000種類もの化学物質が生まれています。では、化学物質が私たちの生活にもたらしたプラス面はなんでしょうか。豊かさ・便利さ・快適さ・経済性・画期的・伝染病から人命を救う等々の貢献でしょうか。

 その一方で、マイナス面(害)が後から徐々に分かってきました。

 レイチェル・カーソン女史が、1962年に発表した「沈黙の春」は、自然破壊に警告を発した先駆書として全世界に大きな影響を与えました。その中で、化学物資が環境や私たちの体に、いかに深刻な害を与えるかが述べられました。

 それから約40年ですが、公害・薬害・発がん性・過敏症・生殖機能異常・地球環境への影響等々、化学物質の「害」がますます問題になってきています。しかし、化学物質の製造は縮小されないばかりか、私たちの身の周りには、危険な化学物質があふれるようになっています。

 化学物質についてよく知り、自分や子どもの生命を、自分で守るしかないのでしょうか。

 次回は、ある日突然発症する「化学物質過敏症」についてお話しします。


  化学物質過敏症(1)


◎人によってコップの大きさが違う

別名「20世紀病」「環境病」とも言われ、1951年米国で発見されました。

 化学物質に「大量」もしくは「微量に長期曝露(化学物質にさらされること)」した後に起きる、化学物質に対する過敏反応、と定義されました。

 人体が化学物質を受け入れる事のできる「コップ」を持っていると仮定します。その「コップ」がいっぱいになり、溢れ出てしまうとごく微量の化学物質に対しても反応してしまいます。このように化学物質に過敏に反応する人を、化学物質過敏症と言いますが、正式な病名ではありません。

 人によってコップの大きさが違うので、家族の中でも過敏に反応する人と、反応しない人がでてきます。そのため、家庭内の化学物質が原因だと認識することが難しくなり、どうして良いかわからなくて、困惑してしまうのです。



◎原因不明の体調不良は疑ってみて

 発症の原因と考えられる化学物質は1種類でも、一旦発症してしまうと、多種類の化学物質に対し、極端に微量でも過敏に反応してしまいます。そのため生活圏が狭まり、重症になると仕事や日常生活にも差し障りがでてきます。

 原因不明の体調不良は、化学物質による過敏症を疑って見ることが必要です。日本国民の約1割が化学物質過敏症と考えられ、かなりの潜在患者や予備軍がいると専門医は推測しています。


  化学物質過敏症(2)


 前回、人によって、人体が化学物質を受け入れる事のできる「コップ」の大きさが違う。そのコップがいっぱいになり、あふれ出てしまうとごく微量の化学物質に対しても反応してしまう、という話をしました。では、その分量と私たちの体の反応は、どういう関係でしょうか。


◎有害化学物質の量と反応の関係

極微量 ⇒⇒          ⇒⇒ 致死量
「化学物質過敏症」⇒⇒「アレルギー」⇒⇒「中毒」⇒⇒「致死」


◎過敏症になると極微量でも反応

たとえば、プール1杯の水に目薬1滴ほどの量を表すのが 「ppt」
たとえば、1m四方の立方体の水に1gの量を表すのが 「ppm」

その分量の関係は、次の通りです。
ppt(1兆分の1=ピコ) ← ppb(10億分の1=ナノ) ← ppm(100万分の1)

 化学物質過敏症の患者は、WHO(世界保健機関)などの定める、「健康に問題がない」と言われる基準値よりずっと低濃度の化学物質でも反応してしまいます。精度の高い検知器と同じくらい、ごく微量の化学物質でも反応します。



◎どんな症状?

目がチカチカ・目のかゆみ・なみだ目・視力低下・視野狭窄・のどの痛み・のどの詰まり・吐き気・息苦しい(肺機能障害)・せき・こめかみに圧迫感・頭痛・めまい・ふらつき・耳鳴り・聴覚異常・疼痛・筋力低下・筋肉痛・関節痛・腰痛・腹痛・下痢・あくび・空気不足感・イライラ・動悸・倦怠感・慢性疲労・不眠・不安・うつ症状・舌のしびれ・味覚異常・感覚異常・発汗異常・ほてり・手足のしびれ・手足の冷え・皮膚の発疹(湿疹)・かゆみ・アレルギー症状の悪化等々 いやいや、大変なことです。

 さて、いよいよ次回は、発症のきっかけについて、具体的に迫ってみましょう。あなたの周りにも、危険な落とし穴がたくさんありますよ。


  化学物質過敏症(3)【防虫剤や引っ越しで、化学物質過敏症に】


 化学物質過敏症を発症してしまった方が、
・どんなに微量の化学物質に反応してしまうか
・どんな症状がでるのか
について、前回はお話ししました。では、どんなきっかけで化学物質過敏症になってしまうのでしょうか。


◎新築住宅に入居・リフォーム・転居がきっかけ

 建材の接着剤や防腐剤、防カビ剤に使われている「ホルムアルデヒド」、塗料やワックス、木材保存剤に含まれるトルエンやキシレンなどの「有機溶剤」、白アリ駆除剤や農薬、防虫剤などに使われている「有機リン系殺虫剤」が「シックハウス症候群」の3大原因物質と言われています。


◎害虫駆除・農薬散布・畳替え・家具調度品の購入

 白アリ駆除後、畳替え後などに体調不良を訴える例が多く、有機リン系殺虫剤による被害です。



◎殺虫剤、防虫剤、抗菌剤、芳香剤、化粧品、洗剤類など生活用品の変化

 防虫剤を多用したタンスが寝室に置いてあり、睡眠中に吸い続けて発病したり、トイレに消臭・芳香剤を置くようになってから発病したりする、生活用品の変化も見逃せません。電気式殺虫剤や燻煙式殺虫剤などの使用も原因になりますので注意が必要です。
(化学物質過敏症の発生までに至らなくても、アレルギーの悪化要因になります)

 では、化学物質は、どこから私たちの体に入るのでしょうか。次回お話ししましょう。




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