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     【腰痛etc.からだの相談室】
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     【青葉・渡部一博】



  ぎっくり腰と同じ原理?!

<<骨盤の構造はこうなっている>>

 骨盤の骨格模型を見たことはありますか?

 まだ見たことのない人は,検診の時にでもぜひ見てください。(病院においてあるといいのですが……)

 骨盤は,左右2枚の大きな骨(腸骨)と脊柱を形成している骨の一つの仙骨が,背中からお尻にかかるところで左右の仙腸関節,前は恥骨結合で,ちょうど底の部分だけ骨が丸く輪のように繋がって出来ています。そして、腸骨の一部に足の骨が繋がる股関節があります。

 仙腸関節や恥骨結合は,肘や膝の関節と違い,骨と骨を押し付けて,それがバラバラにならないように,靭帯で引っ張っているだけの関節です。

 人間は,二本の足で直立歩行をしていますから,普通の状態でも骨盤に大きな負担がかかっています。その骨盤が緩んでいる上に,赤ちゃんの重みまでかかってくるのですから,仙腸関節や恥骨結合にズレが起き易くなっています。仙腸関節や恥骨結合にズレが起きると、骨盤は歪みます。



<<ぎっくり腰の痛みの原因>>

  ところで皆さんは,ぎっくり腰の痛みの原因が、今問題にしている「仙腸関節のズレ」という説をご存知ですか?

 腰痛の名医といわれている「山田クリニック」やAKA療法をしておられる先生方の説ですが,私もこの説が正しいと思っています。

 従いまして,妊娠中や産後のの腰痛は、妊娠性のホルモンの働きで靭帯が弛んだために起きた、急性・慢性のぎっくり腰のような痛みと言えます。


  腰痛だけじゃないのね!

<<骨盤の緩み・歪みと肩こり>>

 最近整形外科の学会も、腕にしびれがくるような肩こりは、頚椎に原因があるものがあるという見解を発表しています。母乳育児のためには、肩こりは大敵ですから、注目してください。
 妊娠性のホルモンは、骨盤だけでなく、体中の靭帯を弛めています。

 頚椎・胸椎・腰椎は、骨盤の中心の骨、仙骨の上に重なって、緩やかなS字状のカーブを描いています。骨盤の緩み・歪みは、仙骨に微妙な傾きを起こします。

 その影響で、仙骨の上に重なっている頚椎・胸椎・腰椎も、S字状のカーブに狂いを起こしてしまうのです。このカーブの狂いが、背中や肩に頑固なコリを起こしています。



<<母乳にも影響>>

 背中や肩のコリは、ありとあらゆることに影響します。たとえば、母乳の出が悪くなります。いくら乳房ケアを受けても、母乳の出が良くならないというときは、背中や肩に凝りはないか注意してみましょう。

 また、頚椎のカーブが無くなったり、逆カーブになると、ひどい肩こりというだけに終わらず、仰向けで眠られなくなります。

 もし、肩こりで寝づらくなったら、トコちゃん枕を使ってみてください。頚椎のカーブを整えるケア用品ですので、楽になります。

 話はそれましたが、骨盤の緩みは、肩こりなど全体に影響します。そこで、妊娠中からベルトで骨盤を外固定する方法をお勧めしているのです。

  妊娠・出産と尿漏れ・痔・子宮下垂…

<<骨盤底筋は太鼓の皮のよう>>

 産後に尿漏れが起きることがあります。日本コンチネンス協会の指導で、骨盤底筋の強化体操を続けている人たちからよく聞く声が,「改善はしたが治らない」。

 骨盤底筋は、骨盤の底の部分に円く輪のように繋がっている骨に,太鼓の皮のように繋がっている幕のような筋肉で、膀胱,子宮,直腸を支えています。その真中に割れ目があり,尿道,膣,肛門があります。

 尿漏れ,痔,子宮下垂の原因のほとんどは,骨盤底筋の支持力が弱ったために起きていますが,なぜ弱ってしまったのでしょう?



<<骨盤の緩み・歪みが関係している>>

 実は、骨盤の緩みや歪みも,骨盤底筋の支持力を弱めてしまうのです。骨盤の緩みや歪みを無視して,骨盤底筋だけ強化できるでしょうか? わたしは、矛盾を感じてしまいます。

 まず、骨盤の緩みや歪みをなくすことが大切です。トコちゃんベルトは、骨盤底筋の緩み対策としてもお勧めしたいです。

 次回は,お腹を締めると妊娠中毒が起きる? というテーマでお話しします。


  尿漏れ・妊娠中毒症の原因は?

<<産後すぐにお腹を締めると…>>

 前回、骨盤底筋の緩みと尿漏れが関係している、という話を書きました。この緩みは、産後すぐからお腹を締めることと関係しているという説があります。

 ここまでお付き合いいただいた方には、すでにお分かりかも判りませんが、骨盤の下部の骨が輪のように繋がっているところは、骨盤底筋群でふさがれています。

 骨盤の緩みは、ホルモンの影響が無くなる分娩後約2ヶ月くらいまで続いています。この骨盤の緩んでいる間に、お腹を締めれば、その圧力は緩んでいる骨盤や骨盤底筋群にかかり、緩みが回復しかけている骨盤を、分娩の時のように押し広げ、直腸や子宮、膀胱を押し下げてしまいます。繰り返されると、骨盤の緩みはいつまでも回復せず、骨盤底筋群も弛緩してしまいます。

 これが、尿漏れ・痔・子宮下垂の主な原因の一つです。



<<妊娠中毒症の原因は食塩のとりすぎ?>>

 腹圧性尿失禁は、尿漏れ原因の8割以上を締めていて、日本コンチネンス協会が骨盤底筋群の強化運動を指導していますが、改善はあってもすっきりと治らないのは、骨盤の緩みに原因があるようです。

 さて、もうひとつ、お腹を締めることのデメリットをお話しします。

 ほとんどの母親教室では、妊娠中毒の原因は食塩の取りすぎ・・・と教えています。が、それ以上に危険なのが、お腹を締めること、という説があります。

 詳しくは、次回に。


  おなかを締めることと妊娠中毒症の関係

<<おなかを締めると血の流れが悪くなる?>>

 さて、先週予告したように、妊娠中毒症とお腹を締めることが関係している、という説があります。

 人体模型を見たことがある人にはわかりやすいのですが、子宮と背骨の間には、太い動脈と静脈が通っています。大まかに言いますと、動脈は、心臓から子宮や腎臓、下肢に血液を送っています。静脈は、子宮や腎臓、下肢から血液を心臓に送り返しています。

 子宮には赤ちゃんが入っているのですから、お腹を締めると動脈と静脈は、子宮と背骨の間で押しつぶされ、血液の流れが悪くなります。静脈の流れが悪くなると、むくみや浮腫が現れてきます。動脈の流れが悪くなると、おしっこの量が減り、蛋白尿が出たり血圧が上がったり、
赤ちゃんの成長が止まります。

 いかがですか?妊娠中毒症の症状が見事にそろっているとは思いませんか。



<<腹帯についてのさまざまな見解>>

 腹帯は、お腹にゴムの跡がつかないような緩いものを、しかも骨盤を固定して腰痛が楽になるものをと、と言われたのは、犬印が販売している「腰部保護プロテクター」を考案された、大阪市立大学産婦人科教授荻田先生です。「新しい概念からみた妊婦指導」と題して、助産婦さん向けの研修会で講演された中で話しておられました。

 京都のある総合病院産婦人科外来の主任さんは、「妊婦さんから妊婦帯をはずすのが私の仕事」と笑っておられましたが、まだまだ助産婦さん達の間に活かされてないのが非常に残念です。

 トコちゃんベルトは、同じころに京都大学病院産科分娩部婦長の助産婦・渡部先生が、主として腰痛のケアを目的に、妊娠中も産後も使え、しかも妊娠中毒症にならないものをと考案したものです。お金に余裕のある方はぜひ使い比べて、感想をお聞かせ下さい。

 さて、今回で骨盤のケアからみた妊婦さんの健康の話題は最終回です。長い間おつきあいありがとうございました。みなさんが、元気でお産を迎えられるようお祈りしています。これまでの話は、以下の資料を参考にいたしました。

・骨盤輪不安定症ーその臨床的・解剖学的研究ー/日整 会誌 Vol.55(1981)
・いわゆる骨盤輪不安定症候群について/産科と婦人科 
・新しい概念からみた妊婦指導/日本ワイスKK ナース・クリニカル 
                     ミーティング大阪(1991)
・分娩と尿失禁/助産婦雑誌 Vol.51−2(1997)
・産褥早期における腰腹部固定帯の効用/母性衛生  Vol.40−2(1999)
・妊娠と腰痛/からだの科学 Vol.206(1999)
・妊娠中から産後の「イタイ・ツライ 悩み」1〜5集/骨産道復古促進のケア研究会


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